昔々、

モンスター鑑別師の称号も知らないころ、ハノブの南で一人で狩りをしていたら


「つるみませんか?」


と声を掛けられた。パーティーに入ったこともなくて、どうやって「つるんだら」いいのかも判らないうちに、パーティーに招待されて、しばらくペア狩りをした。自分は戦士で、その人はアーチャー/ランサーだった。ステータスをどうやってあげているのか、そういう話をしたことを覚えている。時々その人は、「アイテムが一杯になった」とNPCに売りに狩場を離れ、しばらくするとまた戻ってきたりした。小一時間もすると、その人は「ありでした」と言って颯爽と去って行った。


初めてパーティーを組んだ、その人の名前だけは覚えていたけれど、その後見かけることはなかった。


今日、黒色槍騎兵のギルドホールで話をしていたら、あるギルドメンバーの名前が、そのキャラクターの名前に由来しているような気がしたので、話をしてみると、まさにその人だったので驚いた。でも、あまりよく覚えておいでではなかったようです。去年の一月頃となると一年半近く前の話、ほんの一時間だけ一緒にペア狩りしただけだから、忘れてしまうのも仕方ないことだけれど、再会できるとは思っていませんでした。感謝。